外貨建て一時払い保険の注意点!利回りが高いが、リスクも大きい理由とは?
こんにちは、インベスター小次郎です!
今回は、「外貨建て保険」について書いてみたいと思います。
これ、仕組みが複雑でわかりやすく説明するのは容易ではありませんが
しっかり理解して、安易に投資しないようにしましょう!
1 退職金を外貨建て一時払い保険に投資するのは良いの?
退職金が入ったら、外貨建て保険を契約する人が増えているようですね。
数千万円の大金をなんとなく、「利回りが高い」だけで選ぶのは、大変危険です!
中身を理解しないで、リターンの部分だけ見て契約するのは最もしてはいけないことです。
「保険だから安心」とか
「銀行員が勧めるから安心」とか
中身を理解しないで
契約すると、大きな損失になる可能性があります。
それでは、外貨建て一時払い保険についてみていきましょう。
2 外貨建ての意味は?
外貨建て一時払い保険とはどういう契約内容でしょうか。
「外貨建て」の「保険」なので、その名の通り「外貨」(ドル等)で運用を行います。
そもそも外貨建てという言葉がわかりにくい人もいるでしょうし、難しく感じるかもしれません。
外貨建ての意味を理解する前に、「円建て」の意味を理解すると良いでしょう。
円建てとは、資産価値を日本円で表示し、決済も日本円で行うことです。
具体的に考えてみましょう。
例えば、投資信託の場合、投資信託の中には外国の金融商品に投資してても、基準価格が日本円で表示されて
いる投資信託があります。
これは、基準価格を日本円で表示することによって、資産価値を日本円で把握しやすくしています。
それに対して、外貨建ての場合は、投資信託で説明すると、外国の金融商品に投資している投資信託で
基準価格が外貨(例えば、ドル)で表示されている投資信託を「外貨建て投資信託」と言います。
この場合、外貨建て投資信託を日本で売買する場合、購入代金や解約(売却)代金は、外貨で行われることになります。
そのため、外貨建て投資信託を日本円で購入したり、解約(売却)代金を日本円で受け取るには、日本円と外貨を
交換しなければなりませんので、この場合は「為替変動のリスクを受ける」ことになります。
まとめますと、外貨建て一時払い保険は、「外貨」で一回で払って、「外貨」でもらうというような保険なんです。
ちなみに「一時払い」とは、契約時に保険期間全体の保険料を1回払いで払い込む契約方法です。
3 外貨建て一時払い保険の3つのメリットとは?
外貨建て一時払い保険のメリットは以下の通り。
①予定利率が高い。これは、円建ての保険に比べた場合に言えることだが、日本の現在の低金利の状況からすれば、外貨で運用した方が利率は高い。
利率面だけで見ると、外貨建て保険は有利です。
②運用は外貨で行うが、保険料や保険金等の入出金は円で行うという商品の場合、保険金や解約返戻金の受取時に加入時より「円安」(ドル高)になっていると、利益が得られる。
例えば、利率を無視した場合、1ドル100円の時に1万ドルの終身保険に加入するために一時払いで100万円を支払って、その後1ドルが130円になったケースを考えてみましょう。
この場合、保険金として1万ドル支払われるとすると、日本円では130万円受け取ることが可能です。
結果として、30万円のプラスになったのです。
③相続税対策の点では、現金で保有しているより、外貨建て保険で保有していた場合、500万円×法定相続人数までは、非課税扱いである。
また、相続財産は遺産分割協議が終了するまで、凍結される。
それに対して、生命保険の死亡保険金は受取人が指定されているので、一週間程度で受け取ることが可能である。
4 金利が上昇すると解約返戻金は減額されるのはなぜ?
外貨建て保険は、外国債券で運用します。
債券の場合、金利が上がれば債券価格が下がり、逆に金利が下がれば債券価格は上がるという関係があります。
そのため、中途解約に応じて保険会社が債券を売ると、売却損益が発生します。
それを調整するのが、MVA(市場価格調整)です。
MVAは、その分を解約返戻金の増減で調整する仕組み。
この場合、満期まで持たない場合の、金利リスクは中途解約者が負うことになる。
MVAは、満期まで持つ人に高利回りを約束するために欠かせない仕組みとなっている。
しかし、金利上昇傾向の場合は、契約者不利になる。
計算方法としては、金利の変動幅に満期までの年数を掛けることで概算を求めることが可能。
例えば、金利が1%上昇した場合、債券の値下がり率は満期まで5年なら約5%で、その分だけ解約返戻金が減額される。
以上、解約返戻金の減額について長くなりましたが「なるほど、ふーん」程度でも理解できれば大丈夫です。
まとめ
・外貨建て保険は、このように理解が難しいため、理解できないなら無理してしない方が良いでしょう。
・投資は自分が理解できるものだけにすること!
・利回りが高いだけで、投資をしないこと!
・外貨建て一時払い保険は、手数料が高くおすすめできません。